福岡市公民館(サークル・同好会)
交流健康麻雀大会開催の趣旨

認知症予防、コミュニケーション、引きこもり防止を目的とし、飲まない(アルコール)・吸わない(タバコ)・賭けない(お金)をルールとして楽しんでおられる高齢者の方が、他の公民館でのサークルや同好会また、いこいの家や健康麻雀教室で麻雀を習っておられる方との交流、腕試し、楽しみを目的とした大会です。
麻雀を勝負としてではなく、皆さんが和気あいあいと楽しめるゲームとして麻雀を行っていただきます。

第1回大会
平成29年12月4日(日曜日)

会場:南区西長住公民館 参加人数:36名
優勝:東区香椎浜公民館

☆第2回大会 平成30年7月2日(日曜日)

会場:福岡市健康づくりサポートセンター 参加人数:88名
優勝:博多区那珂公民館

第3回大会
平成31年3月31日(日曜日)

会場:福岡市健康づくりサポートセンター 参加人数:108名
優勝:南区西長住公民館
第3回より初級の部(3年未満)新設

第4回福岡市公民館
交流健康麻雀大会

文: NSK健康麻雀福岡 陶山昌明

2019年(令和元年)11月15日(日)、秋晴れの福岡では、年に1度の「福岡マラソン2019」が開催されており、42.195kmのドラマ日和であった。そんな福岡マラソンの熱狂と並行するように、福岡市健康づくりサポートセンター(あいれふ)では、「第4回福岡市公民館(サークル・同好会)交流健康麻雀大会」が開催された。試されるのは体力ではなく、運と頭脳と集中力。半荘3回戦のスプリントレースだ。

麻雀牌

今大会は、福岡県麻雀業組合連合会が主催、福岡市の後援、(株)ノア・カワバタ、コカコーラボトラーズジャパン(株)、(株)ユニマットライフ、日本プロ麻雀連盟九州本部が協賛のもと行われた。運営はNSK健康麻雀福岡。NSK健康麻雀福岡は、現在、福岡を中心に公民館などで、高齢者の方に教室を開催し、主に高齢者向けに健康麻雀を普及している。新たに女性麻雀プロ1名が参加し運営体制を強化した。

福岡市

福岡市22か所の公民館と初参加となる宗像ユリックス、イオン大野城のカルチャー2校から、計108名が参加。実力の近い者同士で健康麻雀を楽しめるよう、初級者部門(麻雀歴3年未満)と中・上級者部門の2部門にクラスを分けて行った。「何を切ればいいか?」「この役の点数は何点か?」など、特に初心者部門の参加者の質問に答えるために、スタッフが巡回し、丁寧にサポート。大会の中でも楽しみながら成長出来るよう配慮したものである。

 

麻雀

特徴的だったのは、大会受付が11:30~12:00だったにも関わらず、ほとんどの参加者が11:30前に会場に到着し、受付を済ませ会場に集合していたことだ。(早く麻雀を打ちたい)参加者たちのやる気が垣間見えた光景だった。

行列

まずは、NSK代表瀬戸慎一が司会を務め、開会式がスタートした。来賓の福岡市議会議員市議会副議長楠正信議員より、「福岡市における健康麻雀の普及は、皆さんが健康で楽しく過ごすことを願う身として大変意義のあることです。
とあたたかいご挨拶をいただき、思わず会場内に笑顔がこぼれる。続いて、福岡県麻雀業組合連合会理事長中村政時が、麻雀プロリーグ戦「Mリーグ」と、先月新潟で開催された「国民文化祭全日本健康マージャン交流大会」について触れ、健康麻雀の一層の広がりを語った。また、福岡の健康麻雀第一人者である雀ケンポン健康麻雀教室の小正英雄オーナーが参加。中村理事長とともに参加者として卓に着いた。

スタート

「前大会優勝チーム、トロフィーの返還です。」参加者の視線が、一斉に会場後方に注がれる。第三回大会優勝、西長住公民館「近藤さん(男性)」「船津さん(女性)
が立ち上がり、胸を張って堂々と前方へと歩みを進めた。約半年間、公民館に飾られていた栄光のトロフィーが返還される。さぁ、二連覇なるか。今大会の優勝候補筆頭に挙げられるだろう。

トロフィー

「ジャラジャラジャラ・・」牌の混ぜる音が重なり、各卓山が詰まれていく。目を瞑って集中している参加者がいる。フーッと息を吐き、手を揉んでいる参加者がいる。開始アナウンスまでのほんの少しの静寂。今年はどのチームが優勝するのか。誰が個人優勝へと輝くのか。運営のNSK石川がマイクを握った。「それでは1回戦開始してください!」

麻雀

「よろしくお願いします!」参加者の声が一つになる瞬間。大切な初戦、その立ち上がりだけあって参加者にとっても緊張の最中である。尚、大会のルールだが、30,000点持ちの加減方式、喰いタン、後付けあり「アリアリ」の半荘60分打ち切りの三回戦でトータル優勝が決まるシステム。

麻雀

NSK運営スタッフが会場を巡回し、27卓、計108名の参加者たちを見守る中、闘牌がスタートした。「ロン!これは倍満かな。」早速、中村理事長が南家に座する卓から声が聞こえた。西家、南片江公民館の久住呂さん(男性)が牌を倒す。東・中・ホンイツ・ホンロウトウ・トイトイ、それは開始3分、東一局のことだった。ビックリした表情の同卓者一同。

麻雀

NSK健康麻雀福岡は、何より麻雀中のマナーを重視している。各公民館・サークル、初めて会う者同士だからこそ、大会で楽しく麻雀を打つために最も必要だとスタッフ一同が認識し、適宜参加者に声をかけている。2回戦のことだが、とある参加者が小さな声でリーチ(他家に聞こえるか聞こえないかの声)と発声し、牌を曲げ、その牌にポンが入った。

注意

途端、先ほどリーチをかけた参加者が「私はリーチはかけていなかったですね。それではリーチ。」と、再度「一発」役の権利を持ってリーチをかけようとした。スタッフはその行為を見逃さず、リーチ発声を行っていたことを指摘し、「次回からは発声は明確に行っていきましょうね」と注意をする。急かす行為や相手の打牌に文句を言う場合も同じだ。

警告

今大会も4回目ということで、顔なじみの参加者も多い。「あら、久しぶりねー」と卓移動中に笑顔で挨拶する参加者の姿も多く見られた。なんと微笑ましい光景だろうか。わずかなインターバルの間に卓内で自己紹介をし、お互いの共通点を見つけ、その話題で盛り上がる。2回戦が終わるころには、緊張もすっかり解け、和やかな雰囲気が漂っていた。

笑っている老夫婦

そして、最終3回戦がスタートした。スタート前には2回戦までの途中結果上位10名をアナウンスし、全順位が書いた紙を各卓に配ると、参加者たちは自分が今どの順位にいるのかしっかり確認していた。「皆さんあきらめないで最後まで頑張ってくださいね!」中村理事長の激励に頷き、気合を入れ直す参加者の姿も。マラソンにも負けていない。麻雀は筋書きのないドラマなのだから。

明るい街並み

「うーん、これは何待ちですかね?」そう質問され、ふとスタッフが確認すると、その手はマンズ一色手の模様。しかし只の清一色ではない。九蓮宝燈のテンパイである。屈指の役満テンパイに参加者は気づいていない。スタッフが耳打ちしようとしたその時、他家からツモの声が。何事もなかったように牌を崩す参加者。麻雀の神様がスルッと逃げていった瞬間だった。

麻雀牌

男性の実力者同士が揃ったある卓では、安藤さん(男性)が、なんと親で6本場まで積んでいた。2回戦結果は、第18位であったが、最終戦、怒涛の追い上げムードが漂う。「ピピピピピピ」60分経過のアラームが鳴り、現在の局を持って戦いは終わった。

アラーム

まず、初級者部門の優勝は、原公民館の石川さん(女性)。石川さんは、中・上級者部門でも十分通用するチカラを見せつけてくれた。おめでとう、石川さん!そして、中・上級者部門は結果から言えば大逆転が起きた3回戦だったと言えるだろう。

花火

個人戦、第3位は南片江公民館の金子さん(男性)で+58.3P。2回戦終了時ではトップだったが、惜しくも最後スコアを伸ばすことが出来なかった。それでも第3位は立派な結果である。第2位は、西長住公民館の長澤さん(男性)で+94.6P。3回戦目で+56.9Pを獲得し、一気に上位までジャンプアップした。時間制限もある中で、このポイントは本当に凄い。最後まで諦めなければチャンスが起きることをしっかり証明した。

花火

しかし、個人優勝には、その長澤さんのスコアを上回る3回戦目+58.6P、合計+116.4P、ダントツで薙野さん(男性)が輝いた。声援と拍手喝采。楠議員と笑顔で写真撮影を行った。胸に抱えるトロフィーが一段と輝いている。そして、団体戦としてもこの薙野さん(男性)、柳澤さん(男性)の香椎浜公民館Bチームが優勝し幕を閉じた。

花火

優勝、準優勝の2名は、アラームが鳴る瞬間まで、全力で走り抜けた参加者だった。実はこのお二人、最終戦は隣の卓で麻雀を打っており、お互い高い役をアガる声が聞こえる距離だった。苦しい場面もあったと思うが、途中で闘志を失うことなく、最後まで優勝を意識していた。この「あきらめない、最後まで」という気持ちは、歳を経ていくと少しずつ忘れがちになってしまうものでもあるだろう。

花火

普段の公民館活動でも、成績はスコアとして記入し、年間で表彰は行っているが、大会という形で健康麻雀を行うことで、参加者の皆さんにとって大きな刺激になる。自分より上手だと感じた人がいると、その人を目標に自分の麻雀を伸ばそうと思うことが出来る。初級者の方にとっても、普段の活動の「お披露目会」という位置づけで、初めて会う人と緊張しながら麻雀を行い、その中で少しずつ成長していく。「人は何歳になっても成長出来る。」運営の私たちは、この健康麻雀大会を通じて、逆に参加者の皆さんの麻雀を打つ姿から教えられているのだと思っている。

麻雀牌